FUKUMI

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Jazz Japan Vol.78

ムーン・イン・パリ/ FUKUMI

Jazz Life 2017年2月号

ムーン・イン・パリ/ FUKUMI

Music Pen club 2008年6月号

The Look Of Love/ FUKUMI

http://www.musicpenclub.com/review-200806.html

Webマガジン JAZZ TOKYO

FUKUMI/ザ・ルック・オヴ・ラヴ

What's New/バウンディ WNCS - 8109 ¥ 2,800

1.ザ・ルック・オヴ・ラヴ 2.ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ 3.マイ・シップ 4.ジ・オールド・カントリー 5.アイ・ゲット・アロング・ウィズアウト・ユー・ヴェリー・ウェル 6.ザ・ラスト・キッス 7.ゲス・フー・アイ・ソウ・トゥデイ 8.ジャスト・ワン・オヴ・ゾーズ・シングス 9.アルフィー 10.クロース・トゥ・ユー 11.エヴリー・タイム・ウィ・セイ・グッバイ

FUKUMI vcl
デイヴィッド・ヘイゼルタイン p、elp, arrangements ( 1,2,4,8,10 )
ジム・ロトンディ tp、flh
ジョン・ウェーバー b
マーク・テイラー ds

2006年3月14、15、16日、@The Studio、NYC録音

 正直に打ち明ければ、女性ヴォーカル人気に乗ってデビューする若い女性シンガーにはこれまで落胆することの方が圧倒的に多かった。ところが、最近は注目に値する女性歌手が少しだが顔を見せるようになったこともあり、十把一からげに掃いて棄てるわけにはいかなくなった。とはいえ、この1作ももし彼女自身の熱心な勧めがなかったら、他の新譜に先駆けて試聴することなどは恐らくなかったかもしれない。彼女の説明で期待が湧いてきたわけでもなかったのだが、試聴を開始したとたん予期しなかった気持のいい手応えを感じはじめたのだ。結局、一気に全曲を通して!聴いてしまった。
 この1作を聴けば、片山ふくみは音楽家として能力を発揮するだけの充分な下地を培ってきたこと、及びそれにふさわしい経験を積んできた人であると、素直に認めることが出来るに違いない。CDに添付されていたプロフィールから、高校時代にピアノ・コンクールで奨励賞を授与されるほどだった彼女が、武蔵野音大のピアノ科に在学中ジャズと出会ってヴォーカリストに転じ、その後早稲田大学のモダンジャズ研究会などで歌いはじめ、やがてニューヨークでヴォイス・トレーニングを積んで本格的にヴォーカル活動に踏み出したという経歴の持ち主であることを知った。そうか、やはりそうだったか。妙に納得した。  付け足せば6.の「ザ・ラスト・キッス」。これもバラード。聴いたことがない曲だと思ってクレジットを見たら、何と詞も曲もHUKUMI自身のオリジナルだった。この面でも彼女には才能がありそうで、期待したくなる。
 ヘイゼルタインのピアノとデュエットした最後の「エヴリー・タイム・ウィ・セイ・グッバイ」も、「マイ・シップ」のようなコクはないがリリカルに仕上げていて印象的。やはり彼女はどちらかといえばバラードの方が似合っているようだ。
 加えて、彼女の選曲のセンスのよさ。これも特筆していい。ホーギー・カーマイケルの隠れた?傑作「アイ・ゲット・アロング・ウィズアウト・ユー・ヴェリ-・ウェル」。日本のシンガーでは余り聴いた記憶がないが、これを取りあげただけでも彼女の知的感性に嬉しくなった。 
 繰り返すが、ヘイゼルタインの5曲にわたる編曲が素晴らしい。ホーン1本のクァルテットだが、和声を変え、リズムに工夫を凝らし、巧みにヴォーカルを守り立てている。トランペットのロトンディも各曲で艶のあるいいソロをとる。ベースのジョン・ウェバーも味のある推進力を発揮し、マーク・テイラーも繊細なドラミングで全体を決して壊すようなことはしない。
 プロフィールによると、滞米中の2002年にリック・デララッタ(p)、ハーヴィー・シュワルツ(b)、ヴィクター・ジョーンズ(ds)のトリオで歌った『Let Me Introduce Myself』が、きたる10月にボンファンより『Silly Habits』とタイトルを変えて再発売されるそうだ。大好きな「コートにすみれを」や「ザ・ヴェリー・ソウト・オヴ・ユー」が収録されているというので、この素敵なバラードを彼女がどう料理したかをぜひ確かめてみたい。JT

(悠 雅彦)

Cadence Magazine 2003年4月号

FUKUMI, LET ME INTRODUCE MYSELFE,

STELLA RECORDS 63215

Cadence Magazine 2003年4月号(pdf)

スイングジャーナル

FUKUMI ジャズが好きなのは自分自身を素直に表現できるから

●インタビュー・文/杉田宏樹

What's up now! SJホット・インタビュー(pdf)

スイングジャーナル

FUKUMI SILLY HABITS

VIVID SOUNDが才能ある日本の女性ミュージシャンを応援する(pdf)

FUKUMI's Review

by Alan Bargebuhr

彼女のラストネームなのかファーストネームなのかは不明だが、FUKUMIはかつてシカゴでクラリネットを演奏したことがないのは間違いないと思うが、(前の欄で紹介したシャリーン・ドーン(vo)がシカゴの学校でクラリネットを演奏していたという話に掛けたコメント。)私は彼女が日本で活躍している若者ではないかと、大胆に推測している。ライナーノーツ(解説)が手許にあるわけではなく、音楽だけを聴いていると本能的にそのように感じられる。そう、彼女はアメリカ生まれかもしれない。だが、”Memory“の息もつかぬ歌詞の中にその考えを退ける部分もある。
彼女のCDは先のドーンのアルバムより興味深く、楽しむことができる。だからといってドーンのアルバムが全く意外性に欠けているというのではないが、FUKUMIのセッションは全体としてレパートリーに多様性があり、非常に興味をそそる上に、紋切り型に展開する偏向からも免れている。FUKUMIの声はドーンのように鼻につかない。幅広い音域と軽快な発声法はストーリーを伝える説得力をもつ。
コール・ポーターの”Kick“はスイングしている。ドーンのアルバムにはそのようなものはない。”Crazy“ではビリー・ホリデーでないとしたら、ペギー・リーのタッチを聴くことができる。しかし彼女が先輩たちのレコーディングをよく学んだという以外に、彼女は自分自身をよく知っていて、その中で十分に歌い表現しているようだ。ピアニストのデララッタの伴奏だけで行われた彼女の”Easily“は飾らず、誠実で美しい。”Violets“も似たように率直で曖昧さは排除され、再びデララッタ、そして今回はメイヤーのギターと、そしてドラムセットに囲まれ程よく自制されたヴィクター・ジョーンズによるフルリズムトリオの一級の演奏に護られ、実に心地よい。”Candy“ではピアニストが一緒に歌うが、二人の声のブレンドはあり余る程の魅力をかもしだす。ジャニス・イアンの”Silly“は霊感による素材の選択の勝利といえる。同種のシンガーソングライター達の中でイアンは叙情詩の天才としてそびえ立つ。その曲はFUKUMIとデララッタが作り上げる軽快なジャズにふさわしい。”Girl“はハービーの名人芸によるベースの演奏が傑出している。(ヒギンズ教授に呼びかけ)FUKUMIのアクセントは再び最後の”Thought“に現れるが、レイ・ノーブルの甘く蒸留された美しいスタンダードナンバーは、ポール・メイヤーの魅惑的なギターによってその熱く燃えるような音の曲線を際立たせる。
アルバムの主要な失敗はオープニングのジョビンの曲にあり、それはサンバの必要とする水準にいまひとつ到達していない。デイヴ・リーケンバーグが感情を抑え“Didn’t know”を演奏している。名演がリサイタル全体としての成功や失敗に不可欠となることはないが、今回は控えめに言っても前者のケースだったといえる。

                                       アラン・バーゲバー